
bloom photograph
日本ロマンチック街道
日本ロマンチック街道は、長野県小諸市と栃木県を結んでいる全長320㌔の街道である。
この道を走ると次々と名山の眺望と山麓の拡がる高原が雄大な景観を見せてくれる。
1000㍍前後の高原を訪れた人々に、そこに美しい高原農場を拓いた先人の努力に感嘆させられる。
高原に拓かれた広大な農場は高原の村に観光と農産業を育てていた。
雄大な山並みと山麓につづく畑の景観は、都市生活者にはどのように映るだろうと思いながら、拙い記録写真から日本ロマンチック街道沿いで立ち寄った高原を選び出しました。

八ヶ岳を望む野辺山高原に南牧村を訪ねた
夏の盛り。八ヶ岳連峰の東山麓に拡がっている野辺山高原を訪ねた。
ここを走っているJR小海線は高原鉄道として鉄道ファンには馴染みの線路である。
村内の野辺山駅は標高1345㍍と日本一高い所にある高原の駅。
そしてこの村は、ヒット曲”北国の春”の作詞家 いではく さんの故郷である。
八ヶ岳連邦を背景にスケールの大きい高原農場が広がっている。
八ヶ岳の山並みを背景に、山麓まで農場が拡がっている。高原野菜の産地だ。
レタスとキャベツと白菜の畑がつづいている。
清浄な大気のもとで、野菜たちは、こんなにも瑞々しく育てられているんだと、
カンシンしたり納得したり。
南牧村を過ぎて川上村へ
高く青い大空を仰いで美しいと独り言
どこまでもレタスの畑がひろがっている。
レタス高原と呼びたくなるほどレタスの畑が続いている。川上村は千曲川源流の村だ。
日本一といわれる高原レタスの産地だった。
”地球は美しい”と
宇宙からの第一声を地球に送ってくれた油井亀美也さんの故郷である。
少年の頃から満天の星空を見上げながら宇宙への夢を育んだであろう高原の村だ。
川上村も関心と注目を集めていることだろう。
固唾を呑むような自然、景観に出会えるから高原の旅は何度来ても新鮮だ。

浅間山麓の嬬恋村は、八ヶ岳山麓の野辺山高原とは少しちがった景観が拡がっていた。
嬬恋といえばキャベツ、といわれるブランド野菜の村。
浅間山麓の林に向かって広く平坦な農場であったり、なだらかな起伏をみせて連なる丘のキャベツ畑が変化に富んだ村の景観を形成しているようだ。
そして、愛妻の丘がある村だ。
浅間の頂や草津白根山方向見渡す丘があった。
ここに立って、精いっぱいの大声で最愛の妻の名を呼びながら
“愛してるョ”と叫ぶそうである。
この雄大な景観に立ってキミは大声で叫べる?
浅間山と嬬恋村キャベツ畑を草津側からも見てみた。
ここから眺めると嬬恋村が浅間山麓の高原の村として一望できた。
嬬恋は、一般にキャベツの嬬恋と言われているが、美味しいジャガイモの産地としても知られている。
さまざまな高原野菜が育てられている高原だった。
浅間山麓の嬬恋村に“愛妻の丘”へ


牧水の足どりを辿って高原の湖まで草津温泉から六合村(旧)に立ち寄って
野反湖まで上がってみた。
静けさが広がっている高原の湖。
しばらくこの静寂に身をゆだねて座り込む。
山間のきびしい道を戻り、途中暮坂峠から若山牧水の足どりを辿って街道へ。
片品川が削った"河岸段丘"の昭和村へ
吾妻渓谷を過ぎ日本ロマンチック街道を沼田へ向かう。関越自動車道沼田IC近くから、赤城の山並みが川を挟んで見えるが、直ぐ対岸の昭和村の高原の畑はほとんど見えない。川も見えない。
沼田市側と昭和村の両岸は切り立ったような地勢である。利根川の上流である片品川が作り出した日本有数の”河岸段丘”だ。
赤城高原の農場は川の流れから100㍍程も上に拓かれたところか。沼田市側から急勾配の道を下って片品川の清流にかかる橋を渡り、再び対岸の急勾配を登ると高原の畑に出た。
川というより渓谷だった。
赤城山麓の高原をみよう。

純情畑と望郷ライン
段丘の高原に上がると
イメージはがらりと変わった
高原の畑は、呼び名が『群馬の純情畑』。
南北に走っている道路は『望郷ライン』。
広大な農場から遥かに名山が一望できる。
西南方向に名峰榛名山と子持山が見える。
北を見れば武尊と谷川岳の山頂が望める。
昭和の純情畑は、高原の眺望ポイントだ。
赤城山を背に望郷ラインに立って眺めると四方の名山や遥遠くの山並みなどが総て見渡せる見事な景観だ。
整然と区画された畑には、ホウレンソウにレタス、白菜にキャベツなど。
蒟蒻の栽培も。
果樹園はりんごが撓わに実をつけていた。


栃木県に入って那須高原へ
ロマンチック街道は片品川の清流に沿うように上がって金精峠を超えると霧降高原から中禅寺湖を経て、日光に下る。
東北自動車道を那須高原へ。
那須高原は、避暑地のリゾート高原として知られている。
八ヶ岳山麓高原の村のように標高千㍍を超える辺りに圃場は殆ど見られないが、少し下ると牧場が点在していた。
道の駅で教えてもらった高原の牧場へ。
茶臼岳とその連山を背景に捉えた高原牧場。
ケーキ工房のテラスから皆静かに見ていた。
目の前に30頭ほどの乳牛が草を食んでいた。
牛たちと茶臼の山を望みながら咖啡タイム。
夏の日が沈みだすと牛は牧舎に帰り始めた。
夕日に映える山並みを飽かずに眺めていた